治験について
臨床研究や治験とは何ですか。
臨床研究とは、病気について研究をし、可能であれば異なる病気によって引き起こされた症状を予防したり、治療したり、緩和するために薬を開発するプロセスのことです。薬が広く利用可能になるまでには、一連の治験、すなわち臨床研究試験で調査をしなければなりません。治験で研究や調査をする薬を被験薬といいます。
ほとんどの治験では治験に参加してくれるボランティアを募集します。治験では、それらボランティアの人達をしっかりとモニタリングし、健康に対する被験薬の効果を追跡します。その情報を保険当局が使用し、被験薬の安全性と有効性、そして一般的な医療的使用として承認すべきかどうかを判断します。
治験はどのように実施するのですか。
被験薬が一般的な使用ができるように承認可能となるまでに、通常、3段階の治験を実施します。
第I相
被験薬が体内でどのように作用されるかを理解するために、健康なボランティアが被験薬の投与を受け研究者が最初の安全性を研究することに協力します。健康なボランティアから得た最初の結果を評価した後に、一部の第I相試験では対象の病気に罹患している人を含むことがあります。
第II相
被験薬を対象の病気に罹患している少人数の参加者に投与し、その被験薬がどのくらい安全で、どのように身体で処理されるかの詳細を研究します。これらの治験では異なる用量を評価し、今後の治験でどの用量を更に深く調査すべきかを判断します。
第III相
被験薬を安全に投与できるか、多数の患者が使用するのに十分な利益をもたらすかどうかを確認するのに十分な情報を得ることを目的として、これらの試験ではより多くの人が参加します。
VALIANT試験は第III相の試験です
なぜ治験に参加するのですか?
治験参加者は、研究者が医学を発展さたり、治療の選択肢を開発したり、病気をより深く理解できるように協力することにより人々の生活に影響を与えることができます。
治験にはリスクが伴うことを覚えておくことは重要です。
- 被験薬が作用するのか否か、どのような副作用が生じる可能性があるかなど、被験薬の安全性や有効性については限られた情報しかないことが多いのです。
- 参加者に全く改善が見られないか改善が見られても数ヵ月以上かかる場合があります。
- 参加者の病気が悪化する潜在的可能性もあります。
これらの理由から、治験参加者は慎重にスクリーニングされ、治験を通してモニタリングされます。
治験参加者によっては、治験中に担当医師や治験責任医師からの追加の時間とサポートを受けることにより、通常診療よりも詳しい検査や診療を受けられることで、自分の病気や状態についてより詳しく知ることがあると感じます。治験に参加する動機が何であれ、参加は完全に自由意志により、参加者の気持ちが変わった場合はいかなる理由でもいつでも治験参加の中止を選択することができます。
VALIANT試験の詳細とあなたが対象になるかどうかを確認します臨床研究・治験の用語を理解
臨床研究・治験で用いられる用語は時に紛らわしいことがあります。重要な用語を理解できるよう当社でこの治験用語集を作成しました。
用語 | 定義 |
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治験参加者 | 自由意志により治験への参加に同意し、すべての適格性基準を満たしている人。 |
適格性基準 (治験対象者としての基準) | 治験に参加するために満たさなければならない要件。これには、年齢、診断、現在受けている治療および過去の治療歴、アレルギー、既往歴、など様々な要件が含まれます。 |
独立倫理委員会(IEC)または施設内審査委員会(IRB) | 独立委員会は医療専門家と一般人で構成され、人の関わる臨床研究試験のすべての側面を審査、承認、モニタリングします。これらの団体は治験実施計画書がすべての関連規制に準拠し、すべての参加者の権利と福祉が保護されていることを担保します。 |
同意説明文書(ICF) | 治験チームとの幅広い同意としての重要な書面。同意説明文書では、治験関連内容、スケジュール、および可能性のあるリスクおよび利益など、治験について説明がされています。同意説明文書に署名することで、患者は治験への参加に同意します。両親または後見人は、未成年者が治験に参加することに署名しなければなりません。未成年者は自らが依頼されている内容を理解し、かつ、自由意志により参加していることを示す簡素化された「同意書」に署名するように依頼されることがあります。 |
被験薬 | 治験で調査をされるお薬または薬剤。通常、被験薬は調査対象の病気に対する一般的な使用の承認がまだ下りていません。 |
治験薬 | この用語は治験中に参加者が投与される被験薬またはその他の治験治療(プラセボなど)の説明に使用されます。 |
非盲検、非盲検長期継続試験 | 非盲検試験、または非盲検長期継続試験(治験の継続)では、治験チームおよび参加者自身が、どの治療グループに参加者が割り当てられているか、どの治療薬を投与されているかを把握しています。 |
単盲検 | 単盲検試験では、治験参加者は自分が割り当てられている治験治療グループを知らされないが、治験チームは把握しています。 |
二重盲検 | 二重盲検試験では、治験参加者と治験チームのいずれもどの治験治療グループに参加者が割り当てられているか知らされないが、緊急の場合には治験チームは把握することができます。 |
プラセボ | 被験薬に外見が似ている物質ですが、有効薬剤成分は含まれていません。プラセボは被験薬の効果を無治療の状態と比較するために使用されます。これは、薬が何の効果がない場合にも、人が薬を服用していることから改善していると感じる「プラセボ効果」を是正するために重要です。 |
治験実施計画書 | 治験の目的、治験の実施方法、誰が参加できるか、投与される被験薬、効果をどのようにモニタリングするかを説明する詳細計画。 |
無作為化 | 無作為化治験では参加者を、各グループが異なる治験治療レジメン(治療計画)を受ける治験のグループやコホート(治験で観察される対象のグループ)に無作為に割り当てます。異なるレジメンには、被験薬、プラセボ、代替療法、またはそれらの複合がいくつか含まれます。 無作為化は明確かつ公平な結果を収集するのに重要です。すべての治験で、プラセボや代替療法、無作為化が用いられるわけではありません。治験が無作為化される場合、参加者は参加同意をする前にそのことについて知らされます。 |
治験チームまたは治験実施施設のチーム | クリニックや病院で治験に携わっている医師、看護師、およびその他の医療従事者。医師は治験責任医師とも呼ばれます。 |